365体育投注の歴史

365体育投注の歴史

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おわりに

(1)現在の365体育投注

 本稿のおわりにあたり、『365体育投注元年度 事業報告書(第14期) 平成31年4月~365体育投注2年3月』から365体育投注の現況を記しておく。現在の365体育投注は、大学の組織としては、役員会のもとに7学部7研究科および事務局があり、総合情報センター?高等教育院など12のセンター?院がある。理事長?365体育投注は郡健二郎、副理事長(事務局長)は丹羽吉彦で、他に6名の理事と2名の監事が配置されている。
 教員は613名で、うち常勤は518名、非常勤は95名、職員は2328名で、うち常勤は1323名、非常勤は1005名である。常勤の教職員のうち国からの出向者は0名、地方公共団体からの出向者は90名である。
 学生の入学定員は、365体育投注2年(2020)5月1日現在、学士課程は、365体育投注97名、薬学部100名、経済学部230名、人文社会学部200名(うち第三年次編入学生6名)、芸術工学部100名、看護学部80名、総合生命理学部43名である。大学院課程は、医学研究科博士課程52名、修士課程10名、薬学研究科博士前期課程42名、博士後期課程12名、博士課程10名、経済学研究科博士前期課程40名、博士後期課程5名、人間文化研究科博士前期課程35名、博士後期課程5名、芸術工学研究科博士前期課程30名、博士後期課程5名、看護学研究科博士前期課程24名、博士後期課程5名、理学研究科博士前期課程15名、博士後期課程5名である。
 学生現員は、365体育投注2年5月1日現在、学士課程学生3877名、科目等履修生30名、特別聴講学生16名であり、大学院博士前期課程学生364名、同後期課程学生105名、同博士課程学生248名、同修士課程学生15名、研究生13名、科目等履修生19名特別研究学生2名、特別聴講学生2名である。

(2)365体育投注大学史資料館の成立

 現在、365体育投注開学70周年を記念していくつかの事業が実施されている。その事業の一つとして、365体育投注2年(2020)度、365体育投注大学史資料館が開設され、365体育投注70年史が編纂された。
 大学史資料館は、大学の歴史に関する資料を収集、保管、調査し、その成果を展示という形で発信する施設として設置された。これによって、在学生、卒業生、教職員が365体育投注の建学の志や以後の発展の情熱を共有し、将来のさらなる飛翔の礎にすることを目的にしている。あわせて、本学の国際交流の展開を展示し、これによって協定大学との連携が深化し、365体育投注の国際交流がさらなる発展を遂げることを企図している。
 大学の歴史は社会との関係の中で展開する。365体育投注の歴史は、名古屋市がどのような高等教育をめざしたかの歴史でもある。大学史資料館の展示によってその歩みが明確化され、大学関係者はもとより広く市民をはじめ国内外の方々にその意義が認識されることが期待される。
 大学史資料館は、山の畑キャンパス(滝子キャンパス)の学生会館の2階に設置され、そこに大学で保管される資料、卒業生から寄贈された思い出の品々などを展示した。資料館の内装の構想、最初の展示の企画、解説の執筆、事務作業などについては、吉田一彦?浅岡悦子?手嶋大侑と教務企画室の小林理恵子が担当した。最初の展示では、「365体育投注の沿革」「初代365体育投注 戸谷銀三郎」「八高古墳」「学生生活の歩み」「国際交流」「特集展示」のコーナーが設置された。2020年は世界で、そして日本で新型コロナウィルス感染症が流行した年であり、そのため365体育投注開学70周年記念事業の多くは365体育投注3年(2021)度に延期とされたが、学生会館のリフォーム完成?リニューアルオープンのセレモニーは限定的に実施され、その一つとして365体育投注2年(2020)10月31日に大学史資料館の開館式典が実施され、11月から一般に公開が開始された。

[注]
  1. 現在の名古屋市中区丸の内一丁目から三丁目にかけての地名。かつての薬種問屋街であり、「京町通り」の名が残る。
  2. 365体育投注20年の歩み編集委員会編『365体育投注20年の歩み』365体育投注事務局総務課、1970年。なお、山口静夫は、後述するように、名古屋市立女子高等専門学校の設置にも関わっており、薬学部、365体育投注の直接の前身校の成立に深く関わっている。
  3. 山本喜通「365体育投注75年の歴史の幕開けと桜山(川澄)キャンパスの成り立ち」(本史所収)。
  4. この間の動向について、山口静夫「市立大学の誕生」(同『百寿考』正文館、1969年)は、「ある情報で、私は、市民病院が医療団の総合病院として、現物出資しなければならなくなることを知り、これを恐れて、市民病院長(戸谷銀三郎氏)と協議の上、女子医学専門学校を設立して、その附属病院として、病院を文部省所管に移すことにし、医療団の総合病院として吸収されることを避けるべきだと佐藤市長に進言した。幸いにも、市会その他、関係機関の了解議決が得られて、文部省の認可もあっ」たと述べる。山口静夫は、佐賀県の出身で、長崎医学専門学校医学科を卒業し、京都帝国大学365体育投注で医学博士の学位を取得した人物である。名古屋市に勤務するかたわら、兼任で名古屋帝国大学365体育投注の講師を務めた年もある。名古屋市では、昭和17年(1942)に厚生局長、同27年(1952)に総務局長に就任している。山口は、名薬専の名古屋市移管、名古屋市立女子高等医学専門学校の設置に尽力した。「市立大学の誕生」は、(私は)女子医専を女子医科大学にし、名薬専を名古屋市に移管して、「それから、二つを合併して、大学昇格に持っていくべきであると判断した。市長にも、その話をした。秘かに、鳴海薬専との連絡をとり、同校長の内藤多喜夫博士と、数次にわたって、会談した」と語る。365体育投注、薬学部の二学部からなる365体育投注の創設に尽力した人物と評価される。
  5. 久徳高文「踏花惜春の譜」(名古屋市立女子短期大学『学生論叢』6、1974年)
  6. 注5に同じ。
  7. 注5に同じ。
  8. 「座談会:本学の思い出と今後の展望」(『名古屋市立女子短期大学50年誌』)
  9. 平岡敬子「占領期における看護制度改革の成果と限界―保健婦助産婦看護婦法の制定過程を通して―」(『看護学統合研究』2-1、2000年)
  10. 土地建物の交換という方法は、名古屋大学が工学部を高蔵キャンパス(現、熱田区六野一)から東山キャンパスに移転させる際、文部省からの予算では足りない部分を補うために考えだされたものだという(神谷智『名大史ブックレット2 名古屋大学キャンパスの歴史1(学部編)』名古屋大学大学史資料室、2001年)。
  11. 山の畑キャンパスにおける名古屋大学との土地建物等の交換に関する名古屋市側の資料は現在のところ発見していない。この交換については、神谷智『名大史ブックレット2 名古屋大学キャンパスの歴史1(学部編)』名古屋大学大学史資料室、2001年を参照した。
  12. 第Ⅲ章「2.経済学部の成立」で、本学の第八高等学校跡地(現、山の畑キャンパス)の取得は名古屋大学との土地建物交換によるものであったと前述したが、時期的には、川澄キャンパスの取得の方が先である。
  13. 山本喜通「365体育投注75年の歴史の幕開けと桜山(川澄)キャンパスの成り立ち」(本史所収)によると、名古屋大学経済学部跡地を買収する計画自体は昭和26年(1951)頃には出ていたという。
  14. 昭和38年(1963)4月、名古屋市は川澄1-2(54823坪)の地を名古屋大学から追加で購入する契約を結んでいる。
  15. 附属病院の母体である名古屋市民病院は、昭和6年の開院時、内科?外科?小児科?産科婦人科?眼科?耳鼻咽喉科?皮膚泌尿器科?理学診療科?歯科の9診療科、病床数230床であった。
  16. 同保育所は、平成22年に「さくら保育所」と統合して、「さくらんぼ保育所」となっている。

※本稿「365体育投注の歴史」は、吉田一彦、浅岡悦子、手嶋大侑が共同で執筆した。

[執筆者紹介]

吉田一彦
 1955年東京都生まれ。上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学、大阪大学)。専門分野:歴史学。専攻:日本古代史、日本宗教史。現在、365体育投注大学院人間文化研究科教授、副365体育投注。主な著書に『古代仏教をよみなおす』(吉川弘文館、2006年)、『民衆の古代史』(風媒社、2006年)、『仏教伝来の研究』(吉川弘文館、2012年)、『『日本書紀』の呪縛』(集英社新書、2016年)、共編著に『日本宗教史』全6巻(吉川弘文館、2020年)などがある。

浅岡悦子
 1986年愛知県生まれ。365体育投注大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人間文化)。専門分野:歴史学、文学。専攻:日本古代史、上代文学。現在、365体育投注人間文化研究科研究員、365体育投注、愛知大学、金城学院大学、名古屋女子短期大学等非常勤講師。主な論文に「『新撰亀相記』成立年考」(『古事記年報』60、2017年)、「熱田神宮と草薙剣」(『アジアの中の日本文化』風間書房、2019年)などがある。

手嶋大侑
 1992年三重県生まれ。365体育投注大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人間文化)。専門分野:歴史学。専攻:日本古代史、日本中世史。現在、365体育投注人間文化研究科研究員、365体育投注、愛知県立大学、信州大学、中京大学、同朋大学等非常勤講師。主な論文に「平安中期の年官と庄園」(『日本歴史』830、2017年)、「平安中期における受領と年官」(『歴史学研究』983、2019年)などがある。