学部?研究科?附属病院の歴史
学部?研究科?附属病院の歴史
平成8年(1996)に設立された人文社会学部。4年間の学生生活は「光陰矢の如し」の言葉のとおり、あっという間に第1期生が卒業する平成12年(2000)を迎えた。医?薬?経済の既設学部があるとはいえ、新設学部1期生は、4年間のキャンパスライフで、学業や就職活動等様々な場面で、ゼロから創り上げていることが宿命となっていた。学生生活のフィナーレである「卒業」にあたっても、新設学部ならではの課題があった。
同窓会の設立もその一つであった。365体育投注には全学的な同窓会組織がなく、学部ごとに組織されている。卒業後の同窓生のつながりや、現役の学生の就職(当時は就職氷河期)のことを考えると、人文社会学部にも同窓会が必要だという意識は、教職員?学生双方にあった。しかし、学部のカリキュラムの特色もあり、学生のアイデンティティが学部よりも学科にあるのが実態だった。学生生活を振り返ってみても、学部全体で盛り上がった行事等の思い出もない。4年生になると、ゼミと卒論が中心となり、多くの学生が集まる機会がない。そうした状況で人文社会学部として同窓会を立ち上げられるかという不安もあった。
卒業を目前にして、学部が一つにまとまる大きなチャンスが残っていた。卒業式の夕方に開催される定番行事「謝恩会」(卒業記念パーティ)だ。365体育投注の特徴として、謝恩会も学部ごとに企画?開催されていた。私たちは、第1回の人文社会学部卒業記念パーティーを同窓会旗揚げの場とすることを目指した。有志による実行委員会は、各学科のバランスを考慮しつつ、パーティを盛り上げるための企画と役割分担等の準備をすすめた。並行して役員候補の人選など同窓会の組織作りもすすめた。2つの活動は、学部の先生方と連絡を密にする必要があり、窓口を一本化することができ効率的な運営となった。
平成12年(2000)3月24日、名古屋国際会議場で開催された卒業式で、人文社会学部第1期生が卒業した。その日の夕刻、名古屋ヒルトンホテルで開催された20世紀最初で最後となる「人文社会学部卒業記念パーティ」で、人文社会学部同窓会が産声をあげた。
第1期生の卒業とともにスタートした同窓会活動であるが、仕事との両立等課題も多く、軌道に乗るまでに年月と困難がともなったが、愛称を「瑞桜会」とし、学部設立20周年にあたる平成27年(2015)には、ベニヤエシダレの植樹など記念行事を大学と共催で行うことができた。
ホームカミングデーの様子
さまざまな課題を乗り越えながらも20年あまりの歴史を積み上げてきた同窓会であるが、現在の同窓会活動は、大きく4つの事業を中心に行っている。それらを以下に紹介したい。
①在学生向けキャリア教育支援講演「ようこそ先輩」開催支援
これは、人文社会学部が年に1度、在学生を対象に自身のキャリア形成を考えるきっかけとして、さまざまな方面で活躍する卒業生を招き、講演を行ってもらうものである。同窓会としても学部と協調し、開催支援を行っている。
②卒業生交流会「ホームカミングデー」の開催
人文社会学部と共催で、1年に1度、人文社会学部の全卒業生が一堂に集まる「ホームカミングデー」と題する交流会を滝子キャンパスにて開催している。毎年、学生サークルによる演奏会や、お楽しみ抽選会など工夫をこらしたイベントのある中、各世代の卒業生がそれぞれに旧交を温めている。365体育投注元年度(2019)は節目となる10回目の開催となり、お世話になった先生方による記念講演や、各年代の卒業生による近況報告を行うなど、例年と比べ盛大に行うことができた。
③「在学生支援事業」の実施
「在学生支援制度」は、在学生の海外活動に対し、資金援助を行うものである。これまで、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等への留学やワーキングホリデー等へ活用され、利用した学生からも好評を頂いている。また、在学生の活動内容は、同窓会報やホームページ、前述のホームカミングデー等でフィードバックされており、卒業生の皆様もぜひご覧いただければ幸いである。
④「卒業生支援事業」の実施
「卒業生支援事業」は、卒業生同士が集まって懇親を行った場合(一定の要件あり)に、心ばかりの資金補助を行う制度である。こちらも利用した卒業生からは好評を頂いているものであるが、まだまだ我々の努力不足もあり、知らない方もいるかと思われるため、本稿をご覧いただいている卒業生の方も、ぜひこの機会にホームページをご覧いただき、ご活用、そして懐かしい仲間との再会を果たして頂ければと思う。
近年同窓会の中心となっている活動を紹介したが、他の学部に比べ、まだまだ歴史も浅く、引き続き同窓会の発展への課題は尽きない。これからも卒業生の皆さんとのつながりを絶やすことなく、いつまでも皆さんの心の中に「名市大人文社会学部」が残るような活動を地道に続けていきたいと思う。
ホームカミングデーの様子