学部?研究科?附属病院の歴史
学部?研究科?附属病院の歴史
「365体育投注芸術工学部」は平成8年(1996)4月に創立され、本年度25年の歴史を数える。「デザインをキーワードに、感性と理性の両面を備えた次元の高い人材の育成」という提言から生まれた本学部は、平成11年(1999)に1期生を社会に送り出して以降、昨年度までに学部卒業生は1,500名を越える。忘れてはならない創立時の理念には『芸術工学部は芸術と工学を融合させ、総合的な計画学とデザイン行為を通して新しい課題の解決を目指すとともに、これまでとは異なる新しいデザイン方法の確立を目指す。また高度情報化社会にあって、真に人間性豊かな快適な生活環境の実現に寄与することを目標とする。そのため人間社会についての広い視野と、豊かな感性と高度な科学技術に関する知識を持ち、価値観の多様化した社会において貢献できる設計家(総合デザイナー)を育成する』とある。「資格情報デザイン学科」と「生活環境デザイン学科」の2学科でスタートした芸術工学部は、学年進行とともに大学院博士課程を整備し、平成24年(2012)には「情報環境デザイン学科」「産業イノベーションデザイン学科」「建築都市デザイン学科」の3学科体制に拡大され運用されている。なお、“芸術工学”は文系でもなく理系でもない“学際”と呼ばれる分野である。この領域が担うのは『明快な総合的デザイン目標を掲げ、目的を具体的に展開してデザインする「コトづくり」とそれを支えるものをデザインする「モノづくり」の実践』である。
「萱光会」は平成13年(2001)に発足し、折しも設立20周年を迎える。卒業生?修了生や先生方、在校生など芸術工学部関係者の親睦をはかるとともに、大学および地域の発展に寄与することを目的とする。具体的な活動内容は「会報の発行」「交流事業の実施?サポート」「活動助成の実施」「名簿の管理」などが挙げられる。「萱光会(けんこうかい)」という名称は、平成17年(2005)に行ったコンペの応募作品50案の中から厳正なる審査のうえ、当時学部1年生だった学生の応募案に決定された。応募時の説明には『芸術工学部キャンパスのある萱場の地から、光り輝く都市への案内ができるよう、また幅の広い立場から総合的な判断ができ、将来社会の新しい光となるような積極的かつ果敢な学生を育てることができるようにとの願いをこめて命名。学部のキーワードのひとつである「健康(ケンコウ)」と読みをかけた。』とある。ロゴマークのガイドラインには『シンプルな幾何形体の構成によって、訴求性?印性?美度性を高いレベルで兼ね備えたシンボルマークのデザインを試みた。マークを形づくる半円と四角形はそれぞれ学部名称の「芸術(半円)」と「工学(四角形)」を象徴的にあわらしたものであり、それらの配置によって「芸術と工学の融合」という芸術工学部の理念を表現すると同時に、同窓会名称のアルファベット頭文字「K」をビジュアル化している。イエローを基調としたツートン配色は、学部のシンボルカラーと連動をはかることで両組織の関連性を視覚的に誘発することを意図したものである』とデザイン意図が示されている。
今期の活動について振り返りつつ述べる。百年に一度の大災害とも語られる最中、変更を余儀なくされる活動も多く、頭の整理が追いついていないのが正直なところである。ここに記すことで、何処かで何方かの何らかのお役に立てることを願うばかりだ。我々が現理事として引き継いだのは365体育投注元年(2019)の10月のことだった。前理事の業務効率化の成果をうけつつ、滞っていた従来活動や新規活動の積極的な再開、次の世代のための業務の透明性の向上と内容の可視化を目指した。それに加え、コロナウイルス流行下での新方針も模索したのは言うまでもない。本理事が行った仕事は、大きく分けて3つ。①内部の組織整備 ②内向きの会員を対象とした交流事業や助成事業 ③外向きの全学同窓会としての活動 である。具体的に取り組んだ内容について考察や手法も交え後述する。
①内部の組織整備についての課題と進捗
まず取り組んだのは理事の仕事の客観化と可視化である。業務の一部における判断基準や算出方法が個々人の経験や能力によって左右されるものであり、理事内に限った話でも業務内容の管理が混然としてしまっていた。そこで導入したのがタスク管理ツール「Trello」である。ホワイトボードに付箋を貼るような感覚で直感的に操作ができるウェブアプリケーションで、スマホ等のデバイスがあれば手元でも更新確認ができ、場所や環境に囚われないことから、検討の上、使用経験のある理事メンバーの指導の元、使い方を共有し、導入した。また、同様の理由からメールや共有ドライブでのデータ共有に加え、ソーシャル?ネットワーキングサービス「LINE」のグループチャット機能を用いて、理事間の連絡?議論の高速化および効率化を図った。幸いにも前理事が業務効率化として、書類のデータ化や過去データのアーカイブ化を進めていたため、上記ツールの導入がスムーズに行えた。この場を借りて感謝の意を表する。また、業務のデジタル化、オンライン化にあたり会員名簿の管理や収集において、なりすましや情報漏えい等、個人情報保護の観点からの問題が発生した。このことに関しては現在も協議中であり、議論を出し尽くした上で慎重に進めていきたい。前々代から導入済みのオンラインツールとしては、SNSツール(Facebook、twitter)がある。今後も会員への情報告知、会員活動の広報、会員との窓口として積極的に活用していくつもりだ。
②会員を対象とした交流事業や助成事業
この一年の変化として大きかったのは、内向きの活動の不活性化である。感染症流行のため、イベントの変更?中止が相次ぎ、致し方ないとは思いつつも自分の学生時代を思い返し、とても心苦しく感じた。それに伴い、本来であれば厳しい規則を設けて行われていた助成事業に対し、事後申請を許容したり準備中に発生した諸経費についても相談に応じたりなど、可能なかぎり柔軟に対応し、会員への不利益が生じないよう尽力した。また、この状況下でもできることがないかと模索し、過去の実績から、芸術工学部の卒業生や在校生をつなぐプロジェクト「クロストーク」の活動をオンライン上にて再開した。これは『在学生が卒業生を訪ね、仕事のことから、学生時代に夢中になっていたこと、社会人になってあらためて思う”芸術工学とはなんだろう”ということをインタビューし、それを公式ホームページにて紹介していく』という活動である。直接訪問というハードルをビデオチャットツール「Zoom」にて解決し、動画共有サービス「YouTube」にて公開収録およびライブ配信を行った。その後にアーカイブ化したものは萱光会の公式サイトから誰でも閲覧ができるので、是非ご覧いただきたい。また、テレワーク、オンライン作業の知見が深まったことにより、会報の発行についても既存の枠組みに囚われることなく進められると考え、再開を予定している。