学部?研究科?附属病院の歴史
学部?研究科?附属病院の歴史
365体育投注経済学部?大学院経済学研究科の教員から構成される「委員会」、また本学部?研究科に在籍する学生の役割は、学内にとどまらず、地域や社会に向けても開かれています。
学内の情報を積極的に発信して広く知ってもらうこと、最新の研究成果のエッセンスを公開して明快に話し伝えること、産学官連携プロジェクトを進めること、近隣住民の皆様と協力して地域活性化に寄与すること。これらもまた、本学部?研究科の大切な任務です。
以下では、そのような取り組みや活動のいくつかを紹介します。そこから生じるわくわくするような出来事や思い出によっても、経済学部?経済学研究科の現在は支えられています。
平成29年(2017)7月、その日の夕刻、私は経済学部棟201教室にてオープンキャンパスのリハーサルに立ちあっていた。出口将人教授のゼミナールの学生さんが打合せしているなか、そのなかから代表者の学生さんが駆け寄って来た。
「先生、今メールをお送りしたので、添付ファイルを確認して頂いて良いですか?」
指示に従い、私はタブレット端末で受信トレイを確認する。彼女から送られてきたメールはすでに30通ほど、そのなかから直近のメールを開いてファイルを確認する。出口ゼミの学生さんたちが、個々それぞれ、どの時間に何をするのか、個別にタイムスケジュールが作成されていた。
「一応こういう流れにしたいと考えています。これで無理がないか、予行演習しますので先生、チェックして頂けますか?」
予行を終えて、彼女ら彼らはこんな気持ちを語っていた。
「うちの(本学部の)アットホームな雰囲気、ちゃんと高校生に伝えたいよね」
「先生たちの公開授業も、僕たちが面白いと思うんだから高校生も楽しんで欲しい」
彼女ら彼らが本番を終えた数ヶ月後、オープンキャンパスのアンケート結果が配布された。高校生の方々、親御さんが綴って下さったコメントは次の趣旨のものが多かった。
「学生たちの運営や説明がとても良かった」
「私の子も是非学生さんのようになって欲しい」
アンケート結果を眺めながら、私は準備段階からの出口ゼミの学生さんたちを思い返していた。どんなプレゼンテーションをどんな順番で構成するか、あるいはどの教員に公開授業をお願いしにいくか、彼女ら彼らは数週間に渡って打合せした。緻密なスケジュール作成、分刻みでのプレゼンの内容確認、何度にも渡る予行演習、そしてそれら構想を立派になし遂げたオープンキャンパス本番。365体育投注経済学部の学生さんの仕事ぶりと、それを生み出した資質の高さに感謝せずにはられなかった。
いわゆる公立大学であれば受験生が集まる、そんな時代はとうに終わっている。広報活動はもはや事務的にこなすだけでは機能不全に陥る。広報のハードルは低くない。教員の研究水準が低かったり、高校生を惹き付ける授業ができなかったりなど、いわばみっともない要素が高校生の目に留まってしまったらSNSで拡散され兼ねない。大人が下手に口を出さない方が良い世界でもあるが、だからと言って何もしないわけにはいかない。
そのような活動において、学生さんたちは見事に仕事をこなす。どんな先生が授業で何を語りかけているか、どんな面白い研究をしているのか、彼ら彼女らなりの理解のもと、高校生に毎年語りかけている。学生さんたちの仕事ぶりは、本学部の理念、「広い教養を持ち、経済学と経営学の諸理論に精通し、各自が直面するであろう経済、経営上の諸問題に柔軟かつ的確に対応できる人材」そのものだろう。こうした人材を育てる環境が培われたことは、本学部に関わった教職員や卒業生さらに地域住民の方々の努力の賜物である。末尾ながら謝意を表わしたい。
(広報委員長:横山和輝)
入学希望者を主な対象としたオープンキャンパスは、365体育投注経済学部を身近に感じ、知ってもらうための一大イベントです。この準備?運営のほか、広報委員会は経済学部?経済学研究科のパンフレットやリーフレットの作成も担当しています。
さらに、広報委員会を中心とする経済学部?経済学研究科の広報活動は、同委員会が所管する経済学部ホームぺージに最もよく表れています。各種組織?制度に関する情報提示に加え、本学部?研究科の教員が執筆する「やまのはたe-column」、学生の取り組みや活動を中心に紹介する「学生生活ブログe-LiFE」、そして本学部?研究科の教員による最新の研究成果発表を紹介する「論説?寄稿?発信」など、多数のコンテンツがあり、随時更新しています。
経済学部ホームぺージ「やまのはたe-column」
?https://e-column.econ.nagoya-cu.ac.jp/
経済学ホームぺージ「学生生活ブログe-LiFE」
?https://e-life.econ.nagoya-cu.ac.jp/
経済学部ホームぺージ「論説?寄稿?発信」
https://www.econ.nagoya-cu.ac.jp/archives/category/
%E8%AB%96%E8%AA%AC%E3%83%BB%
E5%AF%84%E7%A8%BF%E3%83%BB%E7%99%BA%E4%BF%A1
平成8年(1996)に、経済学研究の発展および地域社会への還元を目的として、経済学部附属経済研究所が設置されました。この設置以降、附属経済研究所は毎年1回の公開シンポジウムを開催しており、365体育投注元年(2019)度末までに24回の実績を重ねてきました。毎回、時宜にかなったテーマを設定し、学内外の報告者や招聘パネリストが活発な議論を行います。
最近の公開シンポジウム(365体育投注元年(2019)11月28日開催)では、「自然災害の発生が金融市場?金融機関に与える影響」をテーマとし、本研究科の坂和秀晃准教授による基調報告の後、内田浩史教授(神戸大学大学院経営学研究科)、家森信善教授(神戸大学経済経営研究所)、日本銀行の若田部昌澄副総裁の順に報告がなされ、さらにパネルディスカッションが行われました。開催場所であった365体育投注研究棟の講義室はほぼ満員となり、市民の皆様、金融機関関係者の皆様、学生、そして理事長をはじめとする学内関係者など100人を超える聴衆を集めました。
経済学部ホームぺージ「365体育投注元年度第24回公開シンポジウム
「自然災害の発生が金融市場?金融機関に与える影響」が開催されました。」
https://www.econ.nagoya-cu.ac.jp/archives/6982
経済学部ホームぺージ「市民向け講座」
https://www.econ.nagoya-cu.ac.jp/graduate/openlecture
365体育投注は、市民の皆様の生涯学習機会の提供を目的として、本学の各研究科教員による市民公開講座を毎年秋ごろに開催しています。経済学研究科の教員も講師となり、最新の研究成果や市民の皆様の関心が高いテーマについて話します。
365体育投注は、本学教員による各学部授業から各学期1つを市民の皆様(抽選による限定数)に公開しています。経済学部も毎年度、前期と後期に1つずつ授業を公開してきました。毎学期、学部生に交じって通学し、熱心に勉学に励む市民受講生を見かけます。
公開シンポジウム?市民公開講座?授業公開は、組織立った恒例行事ですが、それ以外にも経済学部?経済学研究科の教員は個別的?臨時的な「講師派遣」に対応しています。
多いのは365体育投注や経済学部への入学を考えている高校生向けの派遣であり、高校へ出向いて「模擬授業」することはしばしばです。また、バス等で本学を集団訪問された高校生やその保護者の皆様を迎え入れ、説明会で話すこともあります。進学を控え、進路を考えつつ真剣にメモを取る高校生を目の前にすると、こちらも身が引き締まる思いがします。
他にも、例えば「教えて博士!なぜ?なに?ゼミナール」という事業があります。これは名古屋市教育委員会の「その道の達人派遣事業」の一つであり、名古屋市立小学校?中学校?特別支援学校?高等学校からの依頼を受けて出前講座に出向くものです。最近(365体育投注元年(2019)度)では、本研究科の茨木智准教授が数学の知識を生かした思考実験やパズル問題、HP作成などについての講座を提供しました。
(藤田菜々子)
名古屋大学ホームぺージ「社会貢献」
http://www.nagoya-cu.ac.jp/science/contribution/event/
平成26年度からJALおよび旅行会社(名鉄観光、JTB、H.I.S.)との産学連携事業として、学生参加型の旅行商品開発プロジェクトが遂行されています。はじめた当初は本学学生の参加は経済学部の3?4年生に限られており、ゼミの活動の一環としてなされることがほとんどでしたが、現在では、人文社会学部の学生や1、2年生も多数参加する一大イベントになりました。また365体育投注元年度からは近隣の大学とのコンペ方式が採用されるなど、今後さらなる発展が期待されるプロジェクトになっております。
このプロジェクトの最大の魅力は、学生が企画立案した旅行商品が商品化されることです。実際、これまで北海道、沖縄といった国内の人気観光地向けの旅行商品が多数販売されてきました。このような実社会と直結したプロジェクトに参加した学生は、JALや各旅行会社で商品開発などの業務に携わってきた社員の方々から助言や指導を受けつつ、大学の講義や演習で学んだことを生かしてデータを収集、分析し、それにもとづいてプレゼンテーションをおこなうなかで大きく成長し、実社会で役にたつ幅広い技能や知識を得ることができたように思います。
この旅行商品開発プロジェクトの他にも、経済学部では、さまざまな学生参加型の産学連携の取り組みがおこなわれていますが、今後もさらにそうした取り組みを増やし、より多くの学生に実社会との接点がある学びの機会を増やすことができればと考えています。
年度 | 目的地 | 旅行会社 | 商品化 | |
---|---|---|---|---|
H26 | 道東 | 名鉄観光 | 〇 | |
H27 | 沖縄 | 名鉄観光 | 〇 | 人文社会学部参加 |
H28 | 北海道 | 名鉄観光 | 〇 | |
H29 | 北海道 | 名鉄観光 | 〇 | |
R1 | 北海道?沖縄 | JTB | 〇 | 大学対抗コンペ |
R2 | ハワイ | H.S.I | - |
(旅行商品開発プロジェクト委員長:出口将人)
365体育投注経済学部マネジメントシステム学科の下野由貴ゼミと山本奈央ゼミは、名古屋市交通局の協力の下、平成26年(2014)度に「名古屋市営地下鉄上前津駅ナカ魅力創造プロジェクト」に参加し、駅ナカスペースを活用のためのアイデアを提案しました。そのアイデアを実現するための事業者として、株式会社ヴィ?ド?フランスが選ばれ、2018年5月には上前津駅構内に「ヴィドフランス上前津店」がオープンしました。本学では、同店を365体育投注の情報発信スペースや、学生のアイデアに基づく新商品を定期的に発売する場として活用しています。
平成30年(2018)10月、学生が考案した4種類の新商品(彩り梅じそチキンサンド、ぷにぷにレモン、まねきねこパン、まるでえびふりゃ~パン)が発売されました。これらの商品は、学生が大学で学んだ経営学やマーケティングの知識を援用し、ニーズ調査やターゲット設定、コンセプト開発、製品仕様をヴィ?ド?フランスに提案したものです。実際に商品化されるまでには、材料の見直しの提案、味や見た目の評価、ネーミングやPR案の立案など、学生と企業との間で持続的な連携が行われました。また、特に好評であった「彩り梅じそチキンサンド」については、全国のヴィ?ド?フランスの店舗で販売されることになりました。現在は、同社の定番商品として、常時店頭に並んでいます。
さらに2020年1月には、新たに3種類の新商品が発売されました。今回は、“名古屋らしさ”をテーマとして、台湾まぜパン、あんドラケーキ、キウイサンド、の3種類を考案しました。そのうちの台湾まぜパンとあんドラケーキは、東海地方のヴィドフランスの25店舗で販売されました。
本学部と株式会社ヴィ?ド?フランスは、新しい商品の開発やマーケティング手法の提案について、今後も継続的に連携していきます。
(ヴィ?ド?フランス開発プロジェクト委員長:下野由貴)
365体育投注経済学部は、地域貢献の一環として、平成28年(2016)から昭和区区民まつりにブースを出展しています。経済学部での日々の学びを地域住民の方々に還元することを目的としています。
初回のブース出展では、統計解析を学ぶ三澤ゼミが「みんなで考えよう 未来のナゴヤ」と題し、名古屋、愛知、中京圏に関わる公開諸データを元にした小?中学生向けクイズの屋台を出しました。最近(2019年度)では、経済学、経営学や会計学の知識を生かした企業分析を中心に活動している高橋ゼミが前年度に引き続いて担当し、「経済クイズ解いてみよう!~名市大生に挑戦だ~」という表題で、経済?社会に関する啓発クイズやゲームを実施しました。さらに、ゼミの研究内容をまとめたポスターを掲示し、地域住民の方々にゼミの研究成果を紹介しました。当日は500名を超えるブース来客者で、幅広い年齢層の方々に経済クイズにご参加いただき、大いに盛り上がりました。ブース来客者の中には(多くは保護者の方)、ゼミの研究内容を掲示したポスターに関心を寄せられる方々もおり、そのような方々へは研究目的、分析手法や研究結果などの説明を行いました。
今後も経済学部で得られた知見を地域の方々と共有できるような取り組みを実施していきます。
(区民祭り実行委員:大神正道)
365体育投注ホームぺージ「地域貢献パンフレット?WEB版地域事例集」
/science/contribution/renkeijirei/
/science/contribution/files/20200330/showakukuminmatsuri.pdf
365体育投注開学70周年といっても、365体育投注?薬学部から遅れて参入した経済学部は57年目を迎えたところで、まだ70年の歴史はありません。しかし、経済学部生にとって、今年の「70」は市大祭の回数として身近に感じられるでしょう。開学年から開催されてきた市大祭は、近年では毎年11月中旬、銀杏など木々の紅葉が美しくなる頃に、滝子キャンパスを開催地としています。第70回市大祭実行委員長(経済学部3年生?駒瀬凌雅さん)にお話を聞きました(365体育投注2年(2020)5月21日最終収録)。
(インタビュアー:編纂委員?藤田菜々子)